往馬坐伊古麻都比古神社
奈良県生駒市壱分町1527-1 ゼンリン

鳥居




交通案内
 近鉄生駒線壱分駅北西300m



祭神
伊古麻都比古神、伊古麻都比賣神、氣長足比賣命、足仲津比古命、譽田別命、 葛城高額姫命、息長宿禰王



由緒 神社庁平成祭礼CDから

 古い書物や古文書によると神社名は、往馬坐伊古麻都比古神社、胆駒社(いこましゃ)、往馬大社、生馬大明神、生馬八幡宮、行馬社、生馬神社、生駒大宮、等多様でありますが現在は往馬坐伊古麻都比古神社と往馬大社の二通りに称しています。
御祭神
 伊古麻都比古神(産土大神)、伊古麻都比賣神(産土大神)、気長足比賣尊(神功皇后)足仲津都比古神(仲哀天皇)、譽田別尊(応神天皇)、葛城高額姫尊(神功皇后の母君)気長宿称王尊(神功皇后の父君)、この他にも境内に摂社十四社、境外に摂社六社が合せ祀られています。
神社の歴史
 当社の正確な創立年代は明らかではありませんが、大神神社や石上神宮と同じように生駒山を神体山(御神体)として祀られた日本で最も古い形態の神社でありますので、おそらくこの生駒谷に人々が住み始めた太古の頃から生駒地方の守り神としてこの地に存在いたしました。 歴史書物の中で往馬大社に関する最も古いものは、『総国風土記』の中の「伊古麻都比古神社、雄略三年(四五八年)」とあるものです。 また、正倉院文書の、『大倭國正税帳』(七三〇年)や『新抄格勅符抄』(八〇六年)にもその記載が見られ、奈良時代より崇敬厚き神社でありました。 更に『延喜式』(九二七年)には「往馬坐伊古麻都比古神社二座并大月次新嘗」とあって、当時の日本全国の官社(二、八六一社)の中でも最高位の官幣大社(案上幣、一九八社)に列せられていました。 当社の御祭神は本来、伊古麻都比古神、伊古麻都比賣神の二柱でございましたが、その後鎌倉時代の八幡信仰の隆盛に伴い五柱の神を合祀して、本殿御祭神は現在の七柱となりました。
火燧木(ヒキリギ)の神
 平安朝の書物である『北山抄』や『元要記』、『亀相記』等には「火燧木神」の記載が見られ、伊古麻都比古神、伊古麻都比賣神は古くから火の神としても尊ばれていました。 我国最大の祭祀であり、歴代天皇の御即位の大祀である踐祚大嘗祭に用いられる火燧木は、代々往馬大社より献上したもので、今上陛下の大嘗祭にも、橿原神宮で行われた紀元二、六〇〇年祭にも当社の火燧木が御使用されました。 このような歴史の元に、毎年十月十日十一日の両日に執り行なわれる往馬大社の御例祭(火神祭)は壮大な火祭として、市内近郊はもとより遠方からも多数の参拝者があり、また古くから龍田大社の風神祭、廣瀬神社の水神祭と共に朝廷の深い信仰を受けてまいりました。


社殿



由緒
 魏志倭人伝の邪馬台国官は伊支馬、次官に弥馬升、弥馬獲支、奴佳ていと記載されている。 谷川健一氏の白鳥伝説(小学館)では伊支馬は伊古麻(生駒)、弥馬獲支は御真木入彦(崇神天皇の名)、弥馬升を孝昭天皇の観松彦香殖稲に、奴佳ては額田とされている。 いずれも河内、大和に由縁のある地名である。伊支馬には活目入彦五十狭茅(垂仁天皇)とも想定される。
 また社の説明のように生駒山を神体山とした日本で最古の形態の神社であったとすれば、生駒の地と結びつきの強い鳥見の長髄彦や物部氏との関係も考慮しておく必要がある。
 また平群氏が支配した地域でもある。奈良平野に都のある時代には、瀬戸内海へ出る道筋として生駒越えが利用された。奈良時代には高見烽(飛火、狼煙)が南の高安山から生駒へ移された。 万葉に「神さぶる伊古麻高嶺」、住吉神代記に「胆駒神南備山本紀」などとあり、古代人の信仰の山であった。山から流出する水の恩恵を祀る自然崇拝に始まったとされる。北上し天野川になる。 この川の流域には住吉社が続く。当社は住吉神の隆盛に押されて、特に中世の武士の台頭によって住吉神から八幡神へ変貌し、土地の神である二神は形跡を辛うじて留めていたようである。現在は主神に復帰している。
 この神社もまた古代日本の権力の興亡を身を持って見続けてきた。

お姿
 生駒山頂を真西に拝する龍田川西岸に鎮座する。生駒山は大和の西側の垣である。この山系は北は交野台地、南は大和川を経て葛城金剛に連なる。生駒山の巨魁が見えるが、頂上には鉄塔など建物が見える。神奈備山とは思えない。
 生駒山をこの当たりから見ると宝山寺の般若窟が突起になっていて良く見える。聖天さんである。延宝6年(1678年)の開山である。元々は巨石信仰の地で、役小角、空海修行の地と言われる。聖天さんは商売繁盛に御利益があるとも言われ、また歓喜天象鼻天とされ、和合、福利、嫉妬を司る生殖神とも言われる。大根を二本交差した「違い大根」が紋である。
 往古、物部氏がこの当たりの支配者であった頃には、饒速日命か御炊屋姫が 祀られていたのではないか。宝山寺には鳥居がある。般若窟はサネ。 

社叢と生駒山、宝山寺の般若窟(中央の突起)



 大きい社叢であり、3haあると言う。ツブラジイ(コジイ)を優占種とする照葉樹林でアラカシ、クロガネモチ、サカキなどの大木が生育し、20m高の森林である。
 石段を登ると拝殿の背後に本殿がずらりと並ぶ。壮観である。 

本殿 



お祭り
例祭(火神祭) 10月10日

元社 mapionの付近
 

大和の神々
神奈備にようこそ
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