如来院 遊女塚
兵庫県尼崎市 如来院地図 遊女塚地図

 遊女塚  神崎町のバス停遊女塚の南側の梅ヶ枝公園に置かれている。

遊女塚風景

遊女塚近影

遊女塚の墓表

弥陀仏と遊女の墳も極楽乃発心報土内の春けさ

境内掲示の由緒
 神崎はいにしへ湊にして西海に通ふ船とも多ここに泊り賑ひいはんかたなく遊女の家船ありけり。建永二年(1207)三月法然上人讃岐国に左遷され給ふとき山城の鳥羽より船にめされこの湊にかかり給ひし折から遊女宮城といふものの小船にさをさして上人に向ひて身の罪業深きをざんげし未来を助からん事を願ふ。上人いとど哀れにおぼしめし一度阿陀の本願に帰入し名号を怠らず修せは佛の光明に摂取して如何なる罪障も忽消滅し西方浄土に至らん事何の疑あるべしとすすめる法の声高く同音に念仏し給へば宮城と共に五人の遊女涙は袖が海となり諸共に合従し導き給へ 上人と云ふも敢す 五人一度に河波深き水底へ飛入 空しく人々驚きろかいを以てさがせともその甲斐なく漸くなきがらを求めてこの川岸に一つところに葬りて上人諸共引導の念仏し給ふ これより遊女塚と呼ぶものならし 元禄五年(1692)尼崎如来院よりここに墓碑を建て表に六字の名号裡にと遊女五人(宮城 吾妻 茶葉(刈藻) 小倉 代忍(大人))の名をきさむ むかし神崎川にゆり橋といふあり 遊女この川へ身を沈めたる屍を水中よりゆり上げしより橋の名となりぬとか 
 津国のなには のことは法ならぬ あそびたはむれ まてとこそきけ 遊女宮城

 珠光山徧照寺如来院  阪神尼崎駅の南西300m。寺町に鎮座。

如来院通用門

神崎五人遊女遺跡 第四番如来院 碑

本堂

如来院の案内
 当院は、元祖円光大師(法然上人)25霊場第4番札所です。沿革は、奈良時代に聖武天皇の厄除けを祈願して、行基菩薩が神崎に、神崎釈迦堂を建立したのが始まりと伝えられています。

 当院には遊女物語が語り継がれています。鎌倉時代に法然上人が神崎に立ち寄られた時、お説教を聞いた5人の遊女達は、頭の黒髪を切り取り出家者となって、お念仏を称えながら入水往生しました。

 その後、当院は戦国時代、城主細川高国の菩提寺となり、旧尼崎城下(現在の大物町)に移り、江戸時代には現在の寺町へ移転しました。

 当院の銅鐘(市指定文化財)は、応永32年(1425)の年号があります。始めは島堂(現在の豊中市内)の勧進寺のものとして鋳造されてのち伝来したものです。また、県下に誇る石像美術品として、花崗岩製の笠塔婆(市指定文化財)があります。嘉暦2年(1327)、両親の33回忌の供養の為に建てられたものです。
          尼崎市教育委員会

如来院のホームページ 

長慶山富光寺  大阪市淀川区加島4丁目10-8 地図

當光寺と法然上人と遊女
 建永二年(1207)に、法然上人が土佐に配流される途中、当寺に泊まり、その夜神崎の遊女に念仏の法話を聞かせたと伝える。

 孝徳天皇勅願所、摂津国八十八霊所の第七番。
 戦国時代、三好長慶が願を掛け本陣にしており、山号長慶山はこれに因む。
 高野山真言宗。


本堂

『傀儡子記』 大藏卿匡房卿

 傀儡子は定住しない者たちである。家はなく、テントを張って、水と草に沿って移動する。北方異民族の者たちに風俗は似ている。男は馬に乗り弓を持ち、狩猟で生計を立てる。長剣を持って跳躍し、短剣をもてあそぶ類の者たちである。魚や竜、ウナギやミミズのような生態の者たちで、石を魔術で金銭に変じ、草木を鳥獣に変え、よく人目を惑わす。女は媚術を用い、ながしめを行い腰を折っで歩き歯を見せて笑み、唇に朱、顔に白粉を施している。歌を歌い淫らで、妖しい媚を売る。旅客に戯れても、父母夫はそれを知っても戒めない。一夜の歓楽ではあきたらず、続けてこれを求める。自ら千金を献じて錦の服を作り、金のかんざし、螺細の櫛を挿す。実に異様の民である。

 田を耕すことなく、植物を採集することもない。よって県官には属さず、土地につい正民ではなく、自ら浪人の境涯に身を置いている。上に帝、宰相のあることを知らず、郡司などの官吏を恐れない。課役がなく、一生遊んで暮らす。夜は百神の祭りで、鼓を打ち、舞い、喧嘩し、も って福助を祈る。

 東国では美濃、三河、遠江に党があり豪華な暮らしをする。山陽では播州、山陰では但馬の党がこれに次ぐ。西海の党はこの手下である。傀儡の名は、小三、日百、三千載、万歳、小君、孫君などがある。

 女たちの歌は、あたか古代シナの韓蛾のごとく、塵を動かし、その残響は梁をめぐつて、聴 く者の襟を涙で滞らしてやむことがない。歌うのは今様、古川様、足柄、片下、催馬楽、黒鳥子、田歌、神歌、棹歌、辻歌、満固、風俗、咒師、別法などの類である。余りに多く数えられない。

 これは天下第一のものである。誰が感動せずにいられよう

 『遊女記』

神奈備にようこそ
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