雄岡神社
神戸市西区神出町東 雄岡山its-mo


交通

神鉄粟生線 緑が丘 南 500m



祭神

木花佐久屋比売姫、帝釈天


標高241m 雄岡山全景 雌岡山頂から



由緒

  この地に二つの山があり、俗に雄岡山(雄子尾)、雌岡山(雌子尾)と言う。 雄岡山は神奈備型の秀麗な山で神出富士、明石富士とも呼ばれる。雄岡神社はオッコウジンジャと訓む。
 山を守り山を司る神を祀っているが、雨乞祈願祭も行われる。 恐る恐る御祭神にそクロベ(漆の黒稲)を塗り真っ黒にする。ご祭神はきれいな女神であるため、早く雨を降らして黒色を落とそうとされると言う。 実に素朴と言うか、神をうまく利用する人、神と人とのこの関係が日本の神社信仰の基礎にあるようで、これは一神教の人々には理解できない神観念であろう。

 天照大神が天岩戸を開けて出てきたのがこの国の建国神話の神髄であるが、これも騙されての出現である。

 雨乞いと黒色との関連については『私の一宮巡詣記(大林太良)』に遠江一宮の小国神社にも紹介されている。
 雨乞いの方法は、白い御幣を立てた桶に墨水を注ぎ、これを御幣にかけるというものであった。雨続きで天気を願う場合は、この逆の方法がとられた。白い御幣を墨水で黒く染め、雨雲に見立てて降雨を呪したのであろう。 (p132)

 合祀されている帝釈天はインドの神で、生産の為に雨を降らすそうである。



風景 

 いくつかの登り口がある。 小生は雌岡山から東に向かって歩き、西側から登ったが、この山道には所々赤土が見える。 あっと言う間に頂上に着く。頂上の祠はコンクリト製のように見える。
 何故か、祠正面に「蘇民将来子孫家」のお札が下げられていた。この山から4km程西の字田井に蘇民神社が鎮座しているが、多そうであまり見かけない名前の神社である。
雌岡山のほうに神出神社と雄岡山の神社との関連は不明である。 山の名からはペアのように見えるが、祭神の差は斎祀った氏族のルーツは違うのではなかろうか。 雄岡山の東には押部谷町が東にのびる。秦氏系とされる忍海部の居住地であり、山の名前の「おす」とも通じると見るのはうがちすぎだろうか。

 雄岡山と雌岡山の間に金棒池があると言う。溜め池も含めて多くの池がある。中には釣り堀の営業の池もあるが、金棒の謂われは、両山が高さを競って頂上に金棒をたてて土盛りをおこなったが、雄岡山の金棒が折れてその池に落ちたそうである。雌岡山のほうが249mで8m高い。




お祭り 

  春祭  2月23日  
  例祭  9月10日



神出神社

兵庫県神社誌(昭和十三年)、神戸市の神社(神戸新聞社)

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