中山神社
岡山県津山市一宮695 ゼンリン

鳥居 神社由緒書から

狛猿

交通案内
 JR津山駅からバスで北上

祭神
 鏡作命 配祀 天糠戸神、石凝姥命(平成祭礼CD)


由緒

 創建は文武天皇の慶雲五年(707)と伝えられている。 中山大神がこの地に鎮座された以後、この地で以前より大己貴神を奉祭していた伽多乃部乙麿と言う豪族が、中山大神に嫉妬したため、中山大神の眷属神である贅賄狼神が怒り、伽多乃部一族は滅ぼされそうになった。そこで伽多乃部乙麿は過ちを悔い、これからは毎年鹿二頭を献じることを誓って久米郡弓削郷に移住したと言う。やがて贅賄狼神を勧請した志呂神社が弓削郷に創建され、そこへ鹿を献上するようになった。

拝殿


 『古代の鉄と神々』真弓常忠著 には、「交野物部乙麿が中山神との賭博に負けて社地を譲った」とのお話になっている。ついでの乙麿はお寺を建てたと言う。

 中山神社は古くはチュウサン神社と呼ばれていた。『山海経』に鉄の世界のことを書いた「中山経」があり、この影響によるとされる。

 『今昔物語集』に、「美作に中参・高野の申す神あり。其の神の体は、中参は猿、高野は蛇である。毎年、娘を生贄として奉られていた中山の神を東国から来た男が計略を以て退治した。」とあります。神社後方に猿神社が磐座の上に鎮座しています。猿とは山の神の意、春には平地に移動して田の神となるとされ、農耕の神と目されてきた。

 また、「真金吹く吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ」と言う歌が『古今集』にあり、これは仁明天皇(54代:天長十年(833)〜嘉祥三年(850))の大嘗祭に吉備国が主基国(その国の斎田から穫れた米を食べる)となったので、その国風の歌として奉られたもの。この中山はかっては美作であったが平安時代には備中吉備津神社の中山となったと言う。

 江戸時代には門前に牛馬市がたち、牛馬の守護神として崇敬を集めた。

国重文 中山造の本殿 神社由緒書から


お姿
  平成二十一年の初詣はこの中山神社。所が愛用のデジカメの調子が悪く、急遽予備のカメラに切り替え、このカメラの電池は途中で切れてしまい、鳥居やその周辺の大木は写せなかった。鳥居の写真は神社由緒から。由緒は木々が満ちているように見えるが、左側に椋の大木がある。ケヤキの大木は鳥居の10mほど手前。
 鳥居をくぐると神門がある。
 本殿は改修中でこれまたお姿を見ることが出来なかった。最悪の初詣。永禄二年(1559)再建。中山造とは単層入母屋造妻入。これに向拝がついている。

 本殿の奧へ50m、そこから若干山に登ると磐の上に猿神社。

猿神社


お祭り
4月 28日〜29日 例祭

『平成祭礼データCD』神社本庁から

中山神社略記BR>
 文武天皇慶雲四年(七〇七年)此の地に社殿を創建して鏡作神を奉斎したと伝えられている。 貞観年間つとに官社に列せられ,延喜式に於ては美作国唯一の名神大社であると共に此の国の一宮でもある。 「今昔物語」に猿神の説話があり,後白河法皇の御撰にかかる「梁塵秘抄」には関西に於ける大社として,安芸の厳島社備中の吉備津宮などと肩を並べている。 鎌倉時代に元冦など国家非常の時に際し,勅命により特に全国七ケ国の一宮に国家安穏を祈願せしめられているが,当社も其の中に選ばれて祈願を厳修したことが伝えられている。 弘安八年に一遍上人回国の途当社に参詣し念仏踊を行ったが「一遍聖絵」(国宝第八巻)に作州一宮図があって,其の節参詣の図が描かれている。
 建武中興破れて天正に至る約四百年間は,美作国中戦乱の巷と化し,為に社寺の祭祀も殆んど絶えなんとする有様であったが,当社は永正八年(一五一一年)と天文二年(一五三三年)の両度に祝融の厄に遭い,本殿以下山上山下の摂末社百二十社と共に宝物・什器・旧記・古文書等悉く炎上焼失した。 永禄二年(一五五九年)に至り,出雲城主尼子晴久戦捷報賽の為め社殿を復興した。 世に中山造と称せられる入母屋造妻入檜皮葺で方五間の宏壮雄大な御本殿であって,大正三年国宝建造物,現在国指定重要文化財である。
 慶長八年森忠政美作全州を領して入封するに至り,国内漸く平定し歴代の藩主の崇敬も厚く社領の寄進や修築の資の奉献など絶ゆることなく,又「一宮さま」と親しまれ,朝野の信仰を集め,中世より近世にかけては門前市も大いに繁昌した。
 明治四年国幣中社に列格,御祭神金山彦命と定められた。 これにより明治年間再度に亘り御祭神名を「鏡作神」に改められる様願出でたるも聴許せられず終戦を迎え,昭和二十一年宗教法人中山神社設立届出に当り御祭神名を主神鏡作神,相殿に天糠戸神,石凝姥神配祀と総て明治以前の社家伝承や旧記類に明記せられている御神名に旧した。
 宗教法人中山神社となりし後も,御本殿以下諸建造物等境内の森に至るまで昔のままの姿にて防災施設も完備し,美作国の一宮と広く尊信せられて現在に至っている。
以上

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