砥鹿神社
砥鹿神社里宮 愛知県豊川市一宮字西垣内 mapfan
砥鹿神社奥宮 本宮山頂上

本宮山遠景

交通
JR飯田線三河一宮駅より北東7分 奥宮は長山駅より6km

祭神
大国主命

祭神の異説
『三河國一宮砥鹿神社誌』では「保食神」「大木食神」「火産霊神」「朝廷別王」がある。 『式内社調査報告』ではそのいずれも憶測の範囲、古來より一貫して大己貴命へと帰すべきであるとしている。
 大己貴命とは大国主命のことであるが、更に大国主命の名を敷衍すれば土地の神、土地の開拓神を表した普通名詞の表現であるから、『式内社調査報告』はそれでいいとの意味であろう。
 当地に住み着いて神祀りの権限を握った氏族の祖神ということであれば、穂の国の國造とされる朝廷別王は有力な神といえる。
「朝廷別王」を祭神とする神社は三河宝飯(小坂井町)の多美河津神社、「朝廷別王命」を祭神とする神社は三河宝飯(形原町)の形原神社、それぞれ一社づつの様である。

『日本の神々10』では、「社伝によると、当社の世襲神主家草鹿砥氏は穂別命の後裔であるという。この一族は穂別命と同族の日下部連の後裔と考えられており、当社は穂国造が奉祭したものと推定されている。」 としている。
 穂別命を祭神とする神社は相模国三浦郡(横須賀市平作町)の平作神社一社にのみ祭神としての名が見えるのみである。なぜ相模国なのだろう。

里宮の拝殿




由緒 平成祭礼データから


  砥鹿神社は大己貴命(大国さま)を祀る旧国幣小社で東海地方の総鎮守の神として各方面から篤い崇敬をいただいています。昔は本宮山にお祀りされていましたが、御神託により今から約千三百年程以前の文武天皇大宝年中に現地にお迎え申し上げてより、里宮本社と本宮山奥宮の二社となり、三河国一宮として広く尊崇せられ、交通安全、家運隆昌、厄難消除の御神徳が皆様に仰がれています。

 摂社二宮社は事代主命(えびす様)をお祀りし「三河えびす社」とも申し上げています。又、三宮社は建御名方命(諏訪様)をお祀りし、共に御本社の御子神で崇められています。

 社殿は総檜造りの荘厳な建物であります。

 三河湾に面した美しい姿の本宮山(海抜七八九メートル)は、千年近い大木の杉檜が林立した神山で、頂上附近の自然林は神域として保護され数百種の草木が繁茂し、愛知県天然記念物として指定されています。

 頂上には三河国一宮砥鹿神社の奥宮が鎮座し、霊験あらたかな大己貴命(大国様)をお祀りしています。本宮山は古代人より持ちつづけた信仰の中心であり、人生の哀歓、苦悩、願望等の生活社会の精神面問題も御神徳の御力により私共を自然の心に立ち帰らせ、幸せに導いて下さいます。

 近年頂上まで本宮山スカイラインが開通し、起伏に満ちた山々、又アルプス連峰、富士山の秀峰、浜名湖の景観と丸山公園のツツジの花園、森の緑は参拝者の心を癒し、名実共に三河国唯一の霊山であります。


 


歴史の想像
 本宮山と里宮ということになっているが、別々に発展したのではとの見方がある。立地上から見ると、里宮は本宮山から離れすぎている。 里宮なら本宮山の麓に寄っていていいのである。これほど離れている理由はなんだろう。里宮の立地がそれほどの聖地だったのだろうか。
 また奥宮に摂社が多い。なぜだろう。奥宮なら奥宮だけでいいはずで、摂社は里宮におけばいいのではないだろうか。おそらくは、砥鹿神社の歴史には相当複雑なものが入っているようだ。 摂社の一つが元の祭神であった。そこへ古砥鹿神、新砥鹿神と二重三重に覆いかぶさっていったのであろう。 弥生文化は尾張で約一世紀留まったと云う。東には縄文勢力が立ちはだかっていたのである。

 まず縄文の神が祀られたはずで、それが荒羽々気神社のように思える。紀伊半島では中央構造線周辺のクズ(九頭、國樔、国津)神に相当するのだろう。
 次の段階で出雲系と云われる国津神がやってくる。大国主命が代表的神名である。また銅鐸祭祀の物部系も来ているはずだが、摂社名からは確定できない。再度荒羽々気神社に戻したのかも知れない。
 大和に王権が確立される以前に、より強大な力を持った地方豪族が誕生し、その祖神祭祀を行うようになる。朝廷別王と云うことであろうか。
 大和王権が確立され、日下部連の一族が国造として乗り込んでくる。穂別命を祭神としたい所であるが、地方住民の信仰と『記紀』の祭神との妥協点として、 大国主命を祭神とすることになった。


里宮の本殿


里宮の摂社「祭神」お祭り


二宮社「事代主命」 1月10日 初ゑびす祭、2月 7日 二宮社例祭
三宮社「建御名方命」 2月 7日 三宮社例祭
八幡宮「譽田別命、天兒屋根命」 9月15日 例祭
八束穂神社「天穗日命」 2月 7日 火舞祭(神釼・火鑚・火舞神事)、5月 4日 神幸祭(お渡御、流鏑馬神事)、5月10日 例祭
荒羽々気神社「大己貴命荒魂」 10月14日 例祭
守見殿神社「大己貴命和魂、倉稻魂神、加久神」 1月 3日 田遊祭(田遊神事)、
津守神社「多裳見宿禰」 10月 第2日曜日 例祭
饌川水神社「罔象女命」 10月 第2日曜日 例祭


奥宮の本社、摂社「祭神」お祭り


奥宮「大国主命、田心姫命」1月15日 粥占祭 、2月 6日 奥宮例祭 、 4月 第3日曜日 本宮山植樹祭
荒羽々気神社「大己貴命荒魂」 10月14日 例祭
八柱神社「湍津姫命、市杵嶋姫命、天忍穗耳命、天穗日命、天津彦根命、活津彦根命、熊野くす樟日命、田心姫命」 10月28日 例祭
守見殿神社「大己貴命和魂」 1月 6日 宝印祭
乙女前神社「大山祇命、天鈿女命、少彦名命」 4月14日 例祭


里宮の荒羽々気神社


奥宮の荒羽々気神社 桃色蜥蜴さん御提供


お姿


 三河一宮駅にほど近い。 駐車場があり、その南側は社叢になっており、荒羽々気神社が鎮座している。

 本殿は流造、背後の大木は見事である


お祭り


  1月 8日 弓始祭(奉射神事)
  1月15日 火焚祭(焼納神事)
  2月17日 祈年祭
  4月 第1日曜日 本宮講春季大祭
  5月 3日 神御衣奉献祭(御衣祭)
  5月 3日 宵宮祭(流鏑馬式)
  5月 4日 例祭(一宮まつり)、少年剣道大会・高校弓道大会
  5月 5日 後鎮祭
  6月30日 大祓(茅の輪神事)
  8月 7日 七夕祭
 10月17日 神嘗祭当日祭

日本の神々10(白水社)


公式砥鹿神社
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H13.10.15

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