若宮神社
滋賀県高島市安曇川町北船木2203 mapfan

鳥居と拝殿


交通案内
 JR湖西線安曇川駅 東 6km


祭神
 大己貴命

本殿


由緒

 安曇川が下流で分岐して形成した輪之内と呼ばれるデルタの南端に鎮座している。安曇(あど)川であって安曇(あづみ)ではないと、『日本の神々5』で、橋本鉄男氏は強調されている。海人の「あど」は「阿刀」と思われ、これは物部系であり、継体天皇の母の振姫、また当社の4km西に鎮座する布留神社、祭神は布留大神、との関連も安曇の地では考えねばならないだろう。

 この若宮神社は式内社ではない。創建は中世以前。鎮座地は京都上賀茂社領の安曇御厨の漁場の所在地で、当社から北西2kmの阿志都彌神社(旧嘉茂大明神)、西2kmの加茂神社など上賀茂の関連社が近辺に分布する。御厨の範囲である。若宮は阿志都彌神社の若宮の意だそうだ。

 祭神については、本社脇殿に祭祀される「ゴロウサン」(五郎神社、雷神)と想定し、賀茂別雷命と橋本氏は推定されておられる。妥当と思われる。

本殿


お姿
 北側橋から本庄橋への道路の下に神社が鎮座。社殿は明応六年(1497)造営を示す棟札があり、当時の建造物であることが確認された。昭和四十年に屋根を銅板に葺き替えた。

 社頭の「重要文化財 若宮神社本殿 三間社流造 説明板」
 本殿内部は、母屋を内陣と外陣に分け、内陣は三室に区切り、庇は周囲を間仕切り、前室とし、正面の向拝(孫庇)一間が取り付く。軒は二軒繁垂木で、垂木には強い反りや、むくりを付ける。妻飾りは豕扠首組で、屋根は元こけら葺である。
 母屋は、円柱に内法長押を廻し、四隅の柱上に舟肘木を置き桁を支え、側面中央柱上に大斗を置き、妻虹梁を受ける。
 若宮神社本殿は、湖西地方では数少ない室町時代後期に遡る神社建築で、軒廻り等の主要部の保存状態も良好である。庇の蟇股や向拝の手挟み等の細部の意匠も優れており、この地方の室町時代の建築を知る上で貴重である。(滋賀県教育委員会)

 また大般若波羅蜜多経六百巻が納められており、大部分が平安後期のものと言う。


お祭り
  5月 3日 例祭
  6月 30日 泥落祭大祓

参考 『日本の神々5』 、『平成祭礼データ』

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