月山神社
山形県東田川郡庄内町大字立谷沢字本沢31

石鳥居


交通案内
鶴岡駅東南約40km mapion


祭神
月讀命
末社
 五十猛神社
 大屋津姫神社
 枛津姫神社


由緒
 月山山頂(1980m)に鎮座。文献上にみえる初見は『新抄格勅符』(宝亀四年(773))の神戸二戸の寄進である。
 延喜式出羽国飽海郡の名神大社である。
 出羽三山は共に山そのものが神であり、神の住居である。
 平安時代中期以降は神仏習合が進み、月山神の本地仏は阿弥陀如来であると考えられるようになった。

 創建の伝承は出羽三山共に蜂子皇子の建立としている。崇峻天皇の皇子である。岩窟に籠もり、木食草衣の修験道的な修行を行ったとされる。

 今年は卯歳御縁年に当たり、白衣を着た崇敬者の方々が大勢登拝されていた。一般登山者と会わせて神社付近は芋の子を洗うようだった。

卯歳御縁年の垂れ幕


お姿
 山頂に鎮座しているので、風が強いのだろう。境内全体が石積みで囲われており、中へ入るにはお祓いを受け、賽銭をはずむ。
 月山神社によると、月山神社の末社として、石積み囲いの中で五十猛神社・大屋津姫神社・枛津姫神社が祭られていると言う。
 五十猛三兄妹神が月山山頂に祭られている理由はよく判らない。本地仏の阿弥陀如来は八幡神の本地仏であり、八幡との関連か、鶴岡の稲荷神社には五十猛命が多く祭られていることと関連があるのか、興味深いこと。

御室の中の卯像 左側は拝殿か。


お祭り
 7月 1日  月山神社本宮開山祭
 8月 13日  月山神社本宮柴燈祭
 8月 14日  月山神社本宮祭
 9月 15日  月山神社本宮閉山祭


出羽三山神社 『平成祭礼データ』


信仰の山・精霊の山・修験の山―国立公園・出羽三山
涼しさやほの三か月の羽黒山、雲の峰幾つ崩て月の山、語られぬ湯殿にぬらす袂かな、有難や雪をかほらす南谷・松尾芭蕉『おくのほそ道』其玉や羽黒にかへす法の月・芭蕉、元禄二年(一六八九)盛夏出羽三山登拝の折認める「天宥別当追悼句文」日本人の源郷(げんきょう)・出羽三山は、千四百有余年の歴史と伝統をもつ我が国有数の信仰のお山であり「羽黒派古修験道(はぐろはこしゅげんどう)」の道場です。
出羽三山とは−出羽国(でわのくに)(山形県など)にある月山(標高一九八四b)、湯殿山(同一五〇四b)、羽黒山(同四一四b)の三つのお山の総称で、三の数字は古来“聖数”とされ全国にその例は数多(あまた)あります。
出羽三山神社(でわさんやまじんじゃ)とは−月山頂上に月山神社、羽黒山頂に出羽(いでは)神社、湯殿山の中腹に湯殿山神社が夫々鎮座(ちんざ)されていますが、三つの神社を合わせて通称「出羽三山神社」といっています。また、月山神社と湯殿山神社は冬季の参拝が無理であることから羽黒山の出羽神社に三神を合祭し「三神合祭殿(さんじんごうさいでん)」と称し、恒例の祭典は三神社同時に合祭殿で行われます。
三山神社の御祭神は−月山神社は天照大御神(あまてらすおおみかみ)の御弟神であられる月読命(月読みの命)、出羽神社は出羽国の国魂(くにたま)であります伊波神(いではのかみ)と稲倉魂命(うかのみたまのみこと)、湯殿山神社は大山祇命(おほやまつみのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくな ひこなのみこと)を祀っています。他に広大な神社境内には、百一末社(まっしゃ)と総称される神々の社(やしろ)があって八百万(やおよろず)の神々が祀られています。
御開山の年と御開祖は−今を去る千四百余年前の推古天皇元年(五九三)に、第三十二代崇峻天皇の皇子・蜂子皇子が、奈良の都からはるばる日本海を北上しこの地においでになり三本足の霊烏(れうう)の導きにより羽黒山を御開山され、次いで月山と湯殿山を開かれました。当社では蜂子皇子を「御開祖」と敬仰(けいぎょう)し、平成五年(一九九三)が開山の年から数えて千四百年に当ることから盛大に「御開山一、四〇〇年祭」を執り行い、年間を通してさまざまな奉祝記念行事や事業を行いました。
出羽三山神社の歴史と信仰は−御開山千四百余年、という類稀(たぐいまれ)な永い歴史と伝統をもつお山だけに時代によりさまざまな変遷がありました。そもそも出羽三山神社は自然崇拝、山岳信仰の“古神道”から発した神社ですが、平安時代の初め仏教の強い影響を受けて「神仏習合(しゅうごう)」し、明治維新の「神仏分離(しんぶつぶんり)・廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」まで真言宗、天台宗など多くの宗派によって奉仕され鎌倉時代には「八宗兼学(はっしゅうけんがく)のやま」とも称されました。 その為出羽三山信仰は他に例を見ない“多様にして限りなく深い信仰世界”を今に育(はぐく)み、「東(ひがし)三十三ケ国総鎮護」として篤く尊崇(そんすう)されています。


参考 『日本の神々』、『式内社調査報告』

h23.7.25 photoed by Setoh Junko.


公式出羽三山
五十猛命ホームページ
神奈備にようこそ
inserted by FC2 system