日御碕神社(ひのみさき)
島根県出雲市大社町大字日御碕455

楼門

交通案内
JR 出雲駅から出雲大社(30分毎)・日御碕行き(1時間毎)のバス。its-mo

祭神
神素戔嗚尊(神の宮)、天照大御神(日沈宮)
摂社
荒魂神社 速荒雄命
宗像神社 田心姫命
立花神社 伊弉諾命、五十猛命
蛭子神社 蛭兒命
御井神社 天村雲命
荒祭宮 速荒雄命
八幡神社 足仲彦命、譽田別命、氣長足姫命
稲荷神社 土祖神、大己貴命、倉稻魂命
門客人神社 櫛磐窗神、豐磐窗神
經島神社 天照大御神
百枝穂神社 天照大御神
立虫神社 少童神
隠丘神社 素盞嗚尊
月讀神社 月夜見尊
推恵神社 尊俊道命、清操邊命
林神社 天葺根命 配祀 天羽明玉命、五十猛命 東北1kmの山上に鎮座
荒魂神社 速素盞嗚尊
熊野神社 伊弉册尊 配祀 事解男命、速玉男命 宇龍港内の蓬莱島に鎮座
日吉神社 大己貴命
貴船神社 高神、闇
岐神社 猿田彦命、天鈿女命
水門神社 速秋津彦命、速秋津姫命
神紋石社 祭神不詳
韓国神社 素戔嗚命、五十猛命

韓国神社



由緒
 素戔嗚尊は「吾が神魂はその柏葉の止まる所に住まん」と言い、投げた葉の止まったところがこの社地の背後の隠ヶ丘であったとされている。御子の天葺根命が斎き祀ったのが由来。
『出雲国風土記』記載の美佐伎神社である。

神の宮 素盞嗚尊


 また、天照大御神を祀った由来は、ウミネコの繁殖地として有名な経島の松に瑞光が輝き、「吾は日の神なり。ここに鎮りて天下の人民を恵まん」と御神託があったので、天葺根命が祀ったと言う。この百枝槐社(ももいだみたま)を今の社地に遷座したのである。
日本海に沈む厳かで美しい夕日をまつったのが後に天照大神への信仰につながったとされている。*1

 五十猛命を祀った由来は不明であるが、この地方に多い韓国伊太神社などを遷座させたのかもしれない。

摂社群 この中に立花神社もある。


 韓国神社は篤志家の寄贈のようである。明治の初年までは背後の韓国山の中腹に西面して小祠が鎮座していたようで、それを境内に再現したもののようだ。韓国山の麓にも祠が建立されたと云うが、未確認。
 国引き神話で、当の日の御崎はまさに新羅の三埼を国引きして来たものであり、半島との海路の要衝であったようだ。

お姿
 朱色がふんだんに塗られており、きらびやかな神社である。
 この神社へ来ると神の宮が傲然と上に鎮座し、その下に日沈宮が置かれており、男性上位の北方の騎馬民族的思考の神社であるように思われる。素戔嗚命が天照御大神の弟であったとかの記紀の記述は、女性上位の南方海人的思考であろう。
 素戔嗚命と五十猛命を祀る韓国神社は新しい。この摂社ですら、日沈宮より高い所に鎮座している。

日沈宮 天照大神

日沈宮 天照大神



お姿
 1月 5日 和布刈神事    8月7日 例大祭(御崎祭)

『平成祭礼データ』日御碕神社御由緒記
御鎮座の由来

 日しずみの宮
日しずみの宮は、神代以来現社地に程近い海岸(清江の浜)の経島(文島又日置島と もいう)に御鎮座になっていたが、村上天皇の天暦2年(約一千年前)に勅命によっ て現社地に御遷座致されたのである。
経島に御遷座の由来を尋ねるに、神代の昔素盞嗚尊の御子神天葺根命(又天冬衣命と 申す)清江の浜に出ましし時、島上の百枝の松に瑞光輝き『吾はこれ日ノ神なり、此 処に鎮まりて天下の人民を恵まん、汝速に吾を祀れ。』と天照大御神の御神託あり、 命即ち悦び畏みて直ちに島上に大御神を斎き祀り給うたと云う。
又『日の出る所伊勢国五十鈴川の川上に伊勢大神宮を鎮め祀り日の本の昼を守り、出 雲国日御碕清江の浜に日しずみの宮を建て日御碕大神宮と称して日の本の夜を護らん 』と天平7年乙亥の勅の一節に輝きわたる日の大神の御霊顕が仰がれる。
かように日御碕は古来夕日を銭け鎮める霊域として中央より幸運恵の神として深く崇 敬せられたのである。
そして、安寧天皇13年勅命による祭祀あり、又第九代開化天皇2年勅命により島上 に神殿が造営された(出雲国風土記に見える百枝しぎ社なり)が村上天皇天暦2年前 記の如く現社地に御遷座せられ、後「神の宮」と共に日御碕大神宮と称せられる。

 神の宮
神の宮は神代以来現社地背後の『隠ケ丘』に鎮座せられていたが、安寧天皇13年勅 命により現社地に御遷座せられ(出雲風土記に見える美佐伎社なり)後「日しずみの 宮」と共に日御碕大神宮と称せられる。
隠ケ丘御鎮座の由来は,神代の昔、素盞嗚尊出雲の国造りの事始めをされてより、根 の国に渡り熊成の峯に登り給い、柏の葉をとりて占い『吾が神魂はこの柏葉の止る所 に住まん』と仰せられてお投げになったところ、柏葉はひょうひょうと風に舞い遂に 美佐伎なる隠ケ丘に止った、よって御子神天葺根命はここを素盞嗚尊の神魂の鎮りま す処として斎き祀り給うたと伝う、当神社神紋の由来もここにある。
かように日御碕は素盞嗚尊の鎮ります霊地として根の国の根源として中央より厚く遇 せられ、神の宮は素盞嗚尊をお祀りする日本の総本宮として厄災除、開運の神と天下 の崇敬をうけ今日も崇敬者の跡が絶えない。



参考 
*1日本の神々7(谷川健一編 藪信男)白水社、式内社調査報告、平成祭礼データ


出雲石見の五十猛命
五十猛命ホームページ
神奈備にようこそ
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