赤山禅院 赤山明神 赤大明神
京都市左京区修学院関根坊町 mapfan


鳥居

地蔵堂


交通案内
叡山電鉄修学院北東1km 修学院離宮の北

祭神
泰山府君
末社 新羅明神「素盞嗚尊(五十猛命)とする説もあるようだ。」

本殿前の正念珠の門
願我念誦所生福 ガンガネンジュンショジョウフク
奉入本尊智恵海 ブニュウホンゾンチエカイ
平等一味同法性 ビョウドウイチミドウホッショウ
我及衆生共成仏 ガギュウシュジョウグジョウブツ

由緒
 比叡山延暦寺の別院。 創建は仁和四年(888年)。 円仁(慈覚大師)は入唐して大陸登州の赤山法華院に一時身をおいた。帰朝して日本に赤山禅院の建立を思い立ったが、果たせず、遺言で弟子の安慧が仁和四年に赤山明神(唐名で泰山府君)をこの地に勧請、比叡山東の日吉社とともに天台の鎮守とした。
 ここは京の表鬼門で方除けの神として信仰も篤かった。また陰陽道の祖神の泰山府君祭の流行もあり、疫病・災除けの神としても崇敬された。京の盆の五山の送り火の大文字はこの慈覚大師の遺徳をしのんだものとされる。

本殿
 

 近世には商売擁護の神としての信仰を集め、懸寄神(かけよせ)とも称された。俗に五日払いと云って五日を懸取日とする商慣習が始まったのは、赤山社の賽日が五日であるのにちなむ。この日に参詣して集金すればよく集まると伝わる。
 大陸から渡来した赤山明神が掛け売りの神として日本で信仰されて長い歴史を持つのだが、21世紀になっても大陸では掛け売りの風習はない。何故なら、信義の劣る連中ばかりで、まず支払わないからだ。


 末社に西宮夷・十禅師・春日・松尾・住吉・賀茂・新羅(しんら)・平野の八神が祀られている。新羅明神は延長二年(924年)に創建されたと言う。園城寺の新羅明神からの勧請である。

 登州の赤山法華院は新羅の貿易商人の張宝高が建てたようである。6世紀である。

 明神を名乗るがここは寺と言うべきである。古来紅葉寺と言われてきた。本尊は赤山大明神であり、修法として正念珠がある。
 真言密教の修法の中では最も重要な妙観であり、これを修法する行者はご本尊と互いに観応相応して一体となり、まことの心眼を開くことができるといわれております。
 その方法は種々の懸念を去り、我とご本尊は一体なりと観想しつつ、手に数珠を繰りながら一心にご本尊(赤山大明神)のご真言(オンサルバ シチケイ ビシニダラニ ソワカ)を念珠いたします。説明板がある。

弁財天  福禄寿
 

 さて、泰山府君を陰陽道の祖神と位置づけたのはかの安倍晴明である。泰山府君は冥府の神として知られ、大陸の五岳神の一つ東岳大帝と同一視されている。漢の武帝泰山にて封の祭りを太一神と同じ礼式で行ったので、太一神(北極星)と同一とも見なされていた。

 日本では、素盞嗚尊、三輪明神、牛頭天王、福禄寿等と同一視する俗説がある。

 都七福神の福禄寿神を祀る。以下、都七福神の社寺。なお、赤山禅院にも、七福神がすべて祀られている。
ゑびす神 ゑびす神社 東山区大和大路通四条下ル
大黒天  松ケ崎大黒天 左京区松ケ崎東町31
毘沙門天 東寺 南区九条町1
弁財天 六波羅蜜寺 東山区松原通大和大路東入ル2丁目
福禄寿神  赤山禅院
寿老神 革堂 中京区寺町通竹屋町上ル
布袋尊  万福寺 宇治市五ケ庄三番割

 奥に金神社があり、その末社の一つに新羅明神が祀られている。新羅明神社は延長二年(924)創建。園城寺からの勧請と見ゆ。

金神社と向かって右側の新羅明神祠等末社群

お姿
 修学院離宮の北側に鎮座、比叡の麓、緑の多い素晴らしい地域である。犬が多く飼われており、参拝者が通る度に実にうるさく吠える。 最近寂光院が放火されたが、夜中の不届き者を撃退するには打って付けではある。
 ただし、犬を連れての参拝は禁止であることに変わりはない。

鴛鴦夫婦鳥居  相生宮
 

お祭

五月五日  端午の節句 泰山府君祭

参考文献 寺院神社大辞典 京都山城 平凡社、皇城表鬼門赤山禅院由緒、都七福神まいりちらし

「赤山神」と「道教」との関係

赤山明神は泰山府君のことで、チャイナの聖なる五岳の一つである東岳の泰山にすむ東岳大帝の別名である。
 東岳大帝とは道教の神で、人の命を司ると信じられてきた。赤山の一角に紅門石という赤みがかった場所があり、その中に「財神」がいるとの伝承がある。


 五岳は五行説の現れであり、東岳は人間の貴賤高下の区別や生死の時期を司ると考えられている。東方は万物を生成する「気」があるとの関係である。
 人は死ぬとその魂は泰山に行く、その泰山の神は死後の世界を支配すると一般に信じられていたが、これは道教になじまない。


          参考 −『日本史を彩る道教の謎』から−
 

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