蟻通神社
伊都郡かつらぎ町東渋田790



交通案内
阪和線  天王寺→和歌山 (60分820円)
和歌山線 和歌山→笠田 紀ノ川を渡る mapfan



祭神
思兼命



由緒
  開化天皇の時代に勧請され、崇神天皇の時代に意富多々泥古神を神主として拝祭したと伝わる。 かっての祭神は意富多々泥古神であった。
 天武天皇の時代、唐の高宗から7曲りの玉を献じられ、これに糸を痛して返せ と難題をかけられたとき、1人の老人が現れ蟻に糸を結び付け玉の穴の一端に蜂蜜を塗り一端から蟻を通した。 蟻は蜜の香りにひかれて穴を通り抜け糸を通した。人々は感嘆してその名を問えば「吾は紀の国蟻通の神」と言って姿を消した。 高宗は使者を遣わして紀の国を探れば、当村に蟻通の神が祀られており、これより朝野の信仰が篤くなったと伝えられている。
 同名の神社が田辺市にも鎮座している。
 別の伝承では、天野の丹生都比売神社の第三殿の神を蟻通神とし、この神を祭ると云う。気比明神(大食都比売大神)である。

お姿
  自然石つくりの大狛犬がひとつある。春日造。



お祭り
 10月18日 1日間 例大祭

紀伊国名所図会から


『紀伊続風土記』伊都郡 志富田荘 東志富田村 から

○蟻通明神社   境内周八町余
 本  社 方九尺
 末社四社
   毘沙門 弁財天 社   衣美須 大黒 社
   八王子社        留主事社

村中にあり 一荘の氏神なり 蟻通明神祀る神詳ならす 今按するに高野山蔵ひる所の正応年(1288〜)の文書に天野三之宮気飯神社を書して蟻通明神とす 然れは蟻通明神は即気飯明神の別名なるへし
 毎年正月十一日御田植といへる神事あり 神職禰宜あつまり田植えの状をなして米を蒔く 参詣の人これを拾ひ十五日の粥に入れ食して年中の邪気を除くといふ 二月十六日 六月晦日 八月十八日 神事あり
 境内留主事社は神職の祖先を祀るといふ 十月十一日は留主事祭と称し専此社の祭をなす
 瑞籬の内に自然石を雕みで高麗狗とするあり 高さ五尺許なり 小泉両足の間をくぐれば疱瘡かろしといふ
 本社の北西十間許に遊覧所あり 前に周囲一丈八尺の杉樹あり 又周囲一丈二尺許の大藤樹あり 花の時甚奇観なり 叉櫟の大樹あり
   神主  井瀬川氏あり
   別当  神宮寺
 氏神の側にあり 本堂釣鐘堂僧坊等あり
 

和歌山県神社誌

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