村の艮にあり 相伝ふ 此神社中央に祀る所の科長戸邊ノ命は古より此地に鎮まり坐すを以てこれを本社とす 或いは天ノ手力雄ノ命を祀る若一王子は此より南三町許木塚といふ所に在し丹生明神は北長田村に在しゝを延暦年中此地に移すといふ 今合わせて三社長田荘中産土神とす 粉河寺正暦二年太政官符に風ノ杜と見ゑたる即是なり 大納言公任郷等の歌あり 境内古松一株あり
家集 粉河寺に詣てつきて風の杜にて 大納言公任
い□□えも花の□□り□□□なれと い□□ちるらん吹風の森
夫木抄廿一 春の歌の中に 鷹司院按察
うらみしな 風の森なる櫻花さこそ□□なる色□咲とも
又三国伝記といふ冊子に左太夫長者といふ者の歌あり
□やたつ 此河浪も 記しあ□や
松は□□ふる風市社森
左太夫か事は粉河寺縁起に詳なり