気比神社(きび)
和歌山県紀の川市猪垣191 its-mo

鳥居


交通案内
JR和歌山線粉河駅 北北西 2.0km


祭神
品陀和氣尊、高津比賣命、市杵嶋姫命、天照皇太神、建速須佐之男命

摂社
春日神社、祇園神社

拝殿、本殿、クスノキ


由緒
 御神体の後碑に天正十一云々とあるので、天正年間(1,573)以前の創始と思われる。 地名を猪垣と云うのは神功皇后が小竹宮(粉河町の志野神社)に居られるとき、野猪の害を防ぐために住民に命じて長い垣を造らせ、その後住民が宮を建てて崇敬したと伝えられる。

 気比の名は気鎮神を奉ずるからであろう。那賀郡貴志川町に気鎮神社が鎮座、大氣津姫命を祭神とするが、これは敦賀の気比神宮も御饌津命であるのでいいのであるし、誉田別皇子と名前を取り替えたのであるので、当社の祭神が品陀和氣尊になっているのも頷ける所であるが、当社は八幡神と気鎮神の二柱の神社ゆえ二間社。そうすると応神天皇は八幡神とすれば、気鎮神とは高津比賣命を云うのだろうか。
 高津比賣命は、多岐津比賣命の別名とも見られているが、この名で祀られているのは、三重県四日市市に鎮座する大宮神明社である。

本殿



お姿

 なかなかの神社。美しい本殿は江戸時代初頭の建造物で、二間社流造り、町の指定文化財。 正面の千鳥破風や唐破風などは当時の建造物としてはとしては斬新。
 クスノキは根元13m、樹高は16mの巨木。

本殿


お祭り
 
  10月17日 例大祭
 

紀伊續風土記 巻之三十三 那賀郡 粉河荘下 猪垣村から



○産 土 神 社   境内周一町十三間
     本 社  八幡宮 気鎮社 相殿  表行 一丈余 裏行 七尺
 末 社  春日大明神   鳥居二基
    村の乾藤井村の界にあり 猪垣藤井二箇村の産土神なり 境内東の方に的場の松あり 毎年正月八日射初の式あり 粉河の方衆の子孫の者来りて弓矢を神前に展列(ツラネ)其時狩宿村の屠者来りて鹿の皮を松の枝に掛く 的とする義なり これを射初の式とす 畢て神宮寺に會して坐をなすなり
    神 主 一 人  粉河村三宅氏  禰宣二人あり
   神 宮 寺  本社境内にあり  瑠璃山薬師院
本社境内にあり 天台宗粉河寺末なり 古は寺中も多く本地堂経蔵鐘楼等備りしに天正の兵火のい諸堂寶物等悉焼亡し寺領も廃絶せり

村の南東の惣社大神宮


参考 参考 和歌山県神社誌 神社寺院大事典 平成祭礼データ

古代史街道 紀ノ国編
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