熊野古道、和歌山県の王子社
逆川王子

有田郡湯浅町吉川字岩谷925ノ2 ゼンリン

逆川王子の鳥居




 吉川の南部、熊野古道にそう中尾に跡地がある。前の糸我王子へは登りみちであり、それを過ぎてさらに急な登り道で糸我峠を越す。七曲りの竹藪のなかの登りである。峠は見晴らしが良い。



糸我峠から南を見る。池の向こうに逆川王子。



 糸我峠の頂上に道標があり、熊野古道と栖原古道とに別れている。栖原古道とは飛鳥時代には糸我より山伝いに西の栖原に下りたとの説明がある。
 万葉集に熊野詣でに赴く際に詠われたのか石碑がある。

 足代過ぎて絲鹿の山の桜花散らずにあらなむ還り来るまで

 下り道に入り車道を横切って南へ進むとミカン畑、竹藪と紀ノ国の風景が続く。行者石を越えると四つ角があり、石標がたっている。東に道を取ると古社がある。これが逆川王子である。 山田川の支流の川があるが東向きに流れている。この辺の川は西向きが多いなかで逆さまに流れるので、この王子社の名となった。
 この王子社は江戸時代には吉川村の産土神であった。境内に地蔵堂もあり、田畑五段と伝わる。



逆川王子の拝殿




逆川王子祠 古来の形を伝えていると言われる。




国津神社に合祀されていると伝わる。

紀伊宮原から湯浅への地図


わかやま観光情報 街道マップ




『紀伊続風土記』 在田郡 湯浅荘 吉川村 から

○逆川王子社   境内周六町
 本社 一間五尺   拝殿   廳    地蔵堂
熊野街道中尾といふ所にあり 一村の氏神なり 社辺に逆川あり 故に逆川王子といふ 御幸記 昇いとか山 下山之後参さかさま王子とある是なり 昔は王子免地蔵免といふ 田地五段ありしに浅野氏の時没収せらる 神主を宮芝主膳といふ
 



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