熊野古道、大辺路の王子社
江須崎王子 春日神社
すさみ町和深川258
JR紀勢線見老津と江住駅の中間 its-mo

長井坂をおりきると海岸沿いの見老津の集落に出る。 港内の小島に夷様を祀る神社が見える。


更に海岸沿いを東に進むと童謡公園の入り口に出る。この公園の奥から江須崎明神に行くことが出来る。

江須崎とは無人の周囲3kmの小島である。全島がハマカズラ、ビャクシン、ウバメガシ、シイなどが繁茂する暖地性植物集落で国の天然記念物に指定されている。年間平均気温は26〜27度である。 神社裏手から周囲2kmの遊歩道が出来ている。

江須崎 参道の向こうに鳥居があるのだが・・



春日神社 すさみ町江住

鳥居

祭神
 天兒屋根命

由緒

  江須崎島の中に在り、現在する最古の棟札は、寛永元年(一六二四)のもので、創建や祭神については不明である。寛永の棟札には江州崎明神とあり。寛文十二年(一六七三)以后のものには裏書に弁財天と付記している。
 紀伊風土記には寛文記に一社大 明神、一社弁財天、一社千手観音とあれども土地人は江須崎明神と云えりとある。いずれの棟札にも「吉見(江住)見路津三ヶ一支配」と明記されており見老津区(現在の)が三分ノ一を負担していたことを明らかにしている。御神体としては銅製の懸佛が完全なかたちで保存されている。
 文化三年(一八〇六)藤本次郎左衛門により金比羅社が勧請され合祀されている。

 この辺りの熊野大辺路は山中を通っていたようで、それも現在では痕跡を留めていない。 従って、この江住春日神社が王子社であったとか、王子社を合祀したとの証拠はないが、周参見の王子社と同じく、銅製の懸仏が完全な形で保存されているのは興味深い。

社殿

お姿

 江須崎全体を神域としている。照葉樹林の島である。

お祭り

10月19日 例祭

紀伊續風土記 巻之七十一 牟婁郡 周参見荘 江住浦から


○春日明神社   境内森山周七十間
村中にあり 江住 見老津 二箇村の氏神なり 拝殿あり 天正四年()の棟札に其時の領主周参見彌十郎諸役見老津三分之一支配也と記せり 今に至りても造営修覆等は雑費見老津三分一支配すといふ 或いはいふ 村の舊民城四郎左衛門の先祖藤氏なるを以て鎮守に祭れるを村民信仰して終に氏神とす

○江州崎明神社   境内
 本社三扉  拝 殿
小名江須ノ川にあり 祭神詳ならす 当社も春日社と同じく江住見老津浦二村の氏神なり 寛文記に一社大明神一社弁財天一社千手観音とされとも土人は三社を会わせて江須崎明神といへり



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