伏見神宝神社
京都市伏見区深草笹山町 its-mo

鳥居と拝殿



交通案内
伏見稲荷大社奥宮(おもかる石)から四ツ辻方向へ少し行き右手を登る。



祭神
天照大御神 配 稲荷大神
十種の神宝が奉安されている。
摂社
龍頭社「竜頭大神」
布留社「白菊大神、白髭大神、白竜大神」
天岩戸社「天鈿女命」



由緒
 稲荷神社が山上に創祀された頃よりの奉拝所であったと云う。 天正十七年(1589年)に里宮が造営されるとともに寂れたようであり、昭和の中期に再建された。

 神宝宮と称するのは、御親授の十種神宝が奉安されているからと云う。
 物部氏の遠祖、神饒速日命が天神御祖より授けられた宝は、羸都鏡一、邊都鏡 一、八握劔一、生玉一、死反玉一、足玉一、道反玉一、蛇比禮一、蜂比禮一、品 物比禮一の十種の天璽瑞宝である。
 この天神御祖を天照大御神と見ていると云うことだろうか。御祖とは女親をいうそうだが、『日本書紀』一書(第六)によると、天照大神の御子の天忍穂命が高皇産霊尊の娘の栲幡千千姫を娶って天火明命を生んだとあり、その子の天香具命は尾張連の遠祖としている。これと『先代旧事本紀』の饒速日尊のフルネームの天照国照彦火明櫛玉饒速日尊とを組み合わせれば、天神御祖を天照大御神のことと出来る。
 なお『先代旧事本紀』には天照大神とは書いていない。

 神社の由緒によれば、この十種神宝の鏡は大極と小極、剣は破邪顕正の勇気をあらわし、邪気を払い英知導く、玉は四魂をととのえ、比礼は天地と宇宙並びに人体を浄めて神人一致への作用を結ぶ働きを示し、秘文(ひふみ)祝詞とともに神道上傑出した存在のようである。

 十種神宝は他の神社にも伝承されている。 
 布留神社 滋賀県高島郡安曇川町横江
 
石上神宮 天理市布留町384
 
楯原神社 大阪市平野区喜連6丁目
 
玉置神社 奈良県吉野郡十津川村 
 石上神社「十種神寶」大川市 大字下牟田口
などの神社である。


本殿




 全山稲荷大明神の朱の鳥居と石を祀った小社の嵐の中にひっそりとたたずむ。 稲荷山参拝の方々が立ち寄っていくようだ。 稲荷山は磐座と滝の山であるが、当神社にはその雰囲気は及んでいない。
 ひふみを日文として「愛」を強調した石碑が立っている。

 拝殿前に天龍と地龍の像が立っている。狛犬の役割を果たしているようだ。役割?なんだったけ。



祭礼
 4月18日 春季例大祭
 7月 土用最初の日曜日 鎮魂祭
11月 3日 火焚祭

『平成祭礼データ』から 

 伏見神寶神社の境内は稲荷神社が山上創祀された頃よりの山上奉拝所(丸山)であり、その社殿の所在は中古図竝に洛中、洛外図にも記載されて現今に及んでおりますが、天正17年に里宮が造営されると共に漸次さびれ遂に旧跡地となりましたが其後も霊威顕著に振現し、昭和の中期に再建と成ったものであります。御社号を神宝宮と賜わり主祭神に天祖天照皇太神が奉斎され、御親授の十種神宝が同殿に奉安してあります。鏡は大極と極小を照らし、剣は破邪顕正の勇気をあらわし邪気を払い祓い英智を導き給うものであり、玉は四魂を整調(ととのえ)、比礼は天地と宇宙竝に人体等を浄めて神人一致への作用を結ぶ働きを示して、秘文(ひふみ)と共に古代より今日に伝えられ天地の摂理と数多の奇蹟の中に遍く信仰されつつ、無限の愛の光麗しく今も天地を照らし守り続け給ふ御宮であります。尚、御神縁深き稲荷大神が相殿に御鎮座されています。
 以上

参考
『平成祭礼データ』

物部氏ホームページ
神奈備にようこそ
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