粒坐天照(いいぼにますあまてらす)神社
たつの市竜野町日山463 its-mo

鳥居


交通
JR姫新線本龍野駅から西へ、龍野橋を渡り南へ、白鷺山沿いに古い商家の町並みを歩く 30分



祭神
天照国照天彦火明命(穂赤熟命:ほあかりのみこと)

神門



由緒
 天照国照天彦火明命の使いから一粒の稲種を預かり、これを水田に播くと万倍になったと言う。 以後この神を氏神として祀ったと言う。創祀は山頂付近で推古2年(594年)とされ、一時は小神の古宮神社の地に遷座していた。この神社にも磐座がある。的場山の中腹には岩を組んだ小祠(天津津祀神社)があり祭祀が続けられている。 現社地には弥生式土器が出土し付近には西宮山古墳等があり、古代より祭祀が行われていたと思われる。*1


お姿
 絵馬が多く奉納されている。境内社も多い。伊和神社、海神社とともに播磨三大社と言われた大きい神社である。 神木は杉である。初春の杉は花粉をまいている。

本殿




お祭り
 7月14,15日 輪抜け祭(蘇民将来の伝)
10月14,15日 例祭日


関連社
奥宮の天津津祀神社、中宮の古宮神社はともに祭神は天照国照天彦火明命である。

平成祭礼データから

人皇第三十二代崇峻天皇、第三十三代推古天皇の御代、播磨国現在の龍野市に伊福部連駁田彦という長者があり、人格者で近くの住民に篤く信頼されていた。この彦の邸の裏によく茂った杜があって、推古天皇二年正月一日にこの社の上に異様に輝くものが現われた。彦がこれを見つめていると忽然として容貌端麗な童子の姿となって曰く、「我は天照国照彦火明命の使である。天火明命の幸御魂はこの地に鎮まり、この土地と人々を守り給うて既に千年を越ゆ。今汝の正直、誠実なるに感じ給い天降りまして神勅を授けようとされている。神勅を奉戴し新しい神社を造営して奉祀せよ。
 すなわち、今ここに種稲を授け給う。これを耕作すれば汝の田のみならずこの里全体に豊かに稔り、この土地は永く栄えてゆくであろう。」と。ここで使者の童子はまた忽にして昇天して去り、あとに種稲が残されていた。駁田彦がこの神勅を尊み奉戴することを誓うと彦の田のみならず近くに一夜にして千頂もの水田ができた。駁田彦が中心となって神社を建立奉斎し、またこの水田に授かった種稲を耕作すれば大豊作となり一粒万倍したという。以後この土地は米粒を意味するイイボ(粒、揖保、飯穂、伊穂などいろいろな文字をあてている)の郡と呼ばれ播磨の穀倉地帯となった。駁田彦を始め人々は嬉び感謝し、この神社を粒坐天照神社と称して氏神と崇め今日に到っている。
 以上



*1 日本の神々2(糸田恒雄)白水社



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