紀伊續風土記 巻之九 名草郡 直川荘 直川村から
○産土神社 境内周百二十間
本社二社 丹生明神社 方五尺 総社明神社 方五尺
廳 御供所 鳥 居 薬師堂
末社三社
大神宮 天満宮 弁財天
村中にあり 一村の産神なり
社伝 丹生明神は丹生津姫ノ神なり 総社は尾張ノ国熱田ノ神なりといへり 今按するに丹生ノ神は本国神名帳に正一位直姫ノ神とあるを誤れるなるへし 直姫の称地に見江さるより世に著き丹生津姫ならんと妄りに轉誤せしならん 総社も又後に合わせ祀りしならん 総社の神は那賀郡宮村の総社して根来繁栄の時当社にも合わせ祀りしならん 宮村の総社に熱田の神をも合わせ祀れるより当総社を熱田ノ神とは称し来れなるへし
祭礼 六月十二日 九月十四日なり
境内 楠の大樹回り三丈三尺なるあり 又香瓜といへる樹あり 古は境内も広かりしならん 今は年貢地入交りたり
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