1.チベットの歴史 3-4C チベット人、チベット高原に居住。聖山カラース山(雪の至宝)の北側。
意識は元の再来。チベットとの関係はモンゴルとの関係に戻る。施主と帰依処。
中国共産党が政権樹立。 2.『死者の書』 死後四十九日の間で、耳から聞いて輪廻から脱出し解脱に到る道案内。 人生は苦に満ちている。そこから解脱して涅槃の境地に達することを目指す。 死後の中有(死出の旅路)は三段階ある。 死の直後、死の瞬間の中有。 死後四日半経過して始まる心の本体の中有。 死後二十二日目から始まる再生の中有。 解脱、悟り、成仏、涅槃は同じ意味、煩悩から解放され、輪廻を脱し、自由で平安な心の状態を得て仏の境地に達する。 死の直後 チベット人は、死んでいく瞬間を、修行したが、あまり高いレベルまで行けなかった人でも、パッと飛躍できると考えている。なぜなら、人の心は非常に凝り固まっているが、死の瞬間に自分の心がバラバラになって、上の層からだんだん崩れていく。その瞬間にわれわれの仏性と言う隠れていたエッセンスが、基層から出てくるので、それを掴まえれば、覚り(さとり)が開かれると考える。 ダルマタ(本質・法性)があなたの前に現れます。宇宙のように広大で空虚で、光に満ちた空間、それは純粋にありのままの心です。その心の状態を自覚し、その中に安らぎを見いだす。 死にそうな状態の時に ○○よ、よくお聞きなさい。よくお聞きなさい。 今こそ、あなたが道を求めるときです。 まもなく、あなたの呼吸がとまるでしょう。 そのときに、最初の中有の強烈で美しい光が現れるのです。 この光が、あなたの命を作っていた本質です。 その光と一つに溶け合うのです。 死の中有にあるものが最初の光明を覚ったら、解脱できる。覚れなくとの、次の光明が現れる。 死の直後に よくお聞きなさい。 心が揺らぐことのないように努めなさい。 今や、死なるものがここへきてしまったのです。 今このときに、何ものかを貪り求めたり、執着してはいけない。 ○○よ、よくお聞きなさい。よくお聞きなさい。 あなたの意識を、生まれつきそなえていた、光の世界に移しなさい。 作られたものである血肉の身体を、離れなさい。 この身体は無常であり、幻であると知るべきです。 死後四日半経過して始まる死出の旅路。 死者の意識は身体の外にある。身体は焼かれてなくなっているかもしれない。 意識は自分の守り本尊(例えば観音菩薩とか五十猛とか)を瞑想する。 本尊は、抽象的なもの。実体はない。池に写った月のようなもの。 一日目 大日如来(毘廬遮那) これを行うと、すざましいほどに眩い第二の光が見えてくる。大日如来の胸から放射されてくる。これは叡智をあらわす。自分の内面が輝く光として見えてくる。これと融合しなさい。 源信『往生要集』 阿弥陀仏の名号を称えるだけではなく、姿を心眼に見ることが、阿弥陀仏の来迎を期待できると言う。同じ様な意味。阿弥陀仏は無量光寿で、まばゆい光の仏である。 この日から14日間、7つの幻影が強烈な光と弱い光の組み合わせで現れて来る。 二日目 金剛薩捶 三日目 宝生如来 四日目 無量光如来 五日目 不空成就如来 十四日目にはヤマ王(閻魔)が出現する。解脱か輪廻の審判が下される。 四十九日まであるが、十四日目にはヤマ王(閻魔)が出現する。輪廻の行き先などになる。 神奈備の霊魂論 霊魂は身体にある時は意識である。脳の皺として存在し機能している。膜の上で表現される。 身体から離れた霊魂は、やはり膜であり、ホログラフーィを形成していると思われる。 なぜなら、我々は膜では三次元を認識できる。これはホログラムの機能である。 知覚は膜 視覚は網膜、聴覚は鼓膜、触覚は皮膚、嗅覚は粘膜。 特に、視覚は網膜で、膜であるスクリーンで映画を見て脳内で立体を構成できる。 膜である霊魂は人間と同じように視覚、聴覚、などをそなえていると見ていい。 霊魂は膜であり、極めて薄い厚さゆえ、三次元の我々からは透明である。すなわち見えない。 ベルト状でぐるぐる巻いているように思う。 性的ヨーガ 菩提心;仏道を求めて修行する基本的な心。 菩提心が頭頂から頸に到達したとき、空の快楽が生じ、明るく澄み切った秋の空に月光が充満するような、白いヴィジョンが現れる。 菩提心が頸から胸に到達したとき、極空の快楽が生じ、明るく澄み切った秋の空に太陽が昇ったたような赤いヴィジョンが現れる。 虚空。空だから全てが存在できる。 菩提心が胸から臍に到達したとき、一切空の快楽が生じ、明るく澄み切った秋の空が暮れなずんだような、どす黒いヴィジョンが現れる。 全ての存在は空である。 最後に、菩提心が臍から男根の先頭に到達したとき、倶生の快楽が生じ、圧倒的な光のヴィジョンが現れる。 仏の境涯に至る大楽 これらの体験は、解脱への道を妨げている障碍の垢を清める働き、となる。 BR> 寂静尊マンダラ BR> 憤怒尊 『チベット死者の書』川崎信定訳 ちくま学芸文庫 『チベット死者の書』河邑厚徳・林由香里 NHK出版 『裸形のチベット』正木晃 サンガ新書 『三万年の死の教え』中沢新一 角川文庫 以上 |