道祖神社
京都市下京区新町通松原下る

鳥居と周辺


交通
阪急烏丸駅 南西へ500m mapfan

祭神
猿田彦命、天鈿女命

社殿

由緒
 旧名を五条の道祖神、また別名を首途(かどで)の社と言う。
 由緒は古く、平安京以前より祀られていたとされる。

 『宇治拾遺物語』巻一の一から
 法輪寺に道命という阿闍利が住んでいた。慈恵僧正に学び、経を見事に読んだが、どうしたことか、大の女好き。いまは宮中でも才女のうわさ高い和泉式部にぞっこんだった。毎夜のように通っては朝帰りもしばしばである。
 阿闍利、その夜も和泉式部のもとに通うと床をともにした。
 夜も更けたころだった。阿闍利はむっくり起き出すと、急に経を読みだした。式部のことで頭がいっぱいで、夜のおつとめをすっかり忘れていたのである。
 とりあえず八巻を読み終えたのだが、夜はいつしか白々と明けていた。
 「どりゃ、もうひと眠りするとするか。」阿闍利、寝ぼけまなこをこすりながら、横になろうとすると、うしろに人の気配がするではないか。
 「だれじゃー」
 「いいえ、決して怪しいものではございませぬ。私は五条西洞院にすむ翁です。」
 影はおどろおどろした越えで答える。
 「・・・して、その翁が何用あって」
 「ただいまは結構なお経を聞かせていただきました。と申しますのも、いつもあなたの経は梵天、帝釈天をはじめ高貴な方が聴聞されていますので、私どもが近くで聞くことができませぬ。しかし、今夜はあなたさまは潔斎もなさらずに読経されたので梵天様らは聴聞されず、私どもが聞くことが出来たのです。
 阿闍利はハット胸をつかれた。

 好色阿闍利に、読経の心をををさとしたこ翁が、実は道祖神社の道祖神であるというのである。

たたずまい
 近くで神社の場所を訪ねたら、わざわざ案内してくださった。聞くところによればお世話をしているお家の婦人だとか。
 もともと、裏庭の屋敷神であったのを表で祀るようになったという。
 八重桜が見事に咲いていた。今は商売繁盛の神様として、祇園の花街からもお参りがあるそうである。

お祭り 

『京都・伝説散歩』京都新聞社

京都山城の神々

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