野宮神社(ののみや)
京都市右京区嵯峨野々宮町

交通
嵐山渡月橋東をJR手前 its-mo

黒木鳥居と本殿

祭神
天照大神

由緒
   
 愛宕神社の里宮の役割を果たしていた。摂社に愛宕神社があるが名残だろうか。
 伊勢斎王の潔斎の為の籠もりの野宮の旧地。
 斎王が決まる毎の卜定して野宮を決めたようで、当地に籠もった皇女の名は知られていない。斎王は伝承では初代は垂仁天皇の皇女豊鍬入姫であり。七十五代目の後醍醐天皇の皇女祥子内親王で戦乱の為に廃絶した。
 また賀茂社の斎院の野宮は紫野・有栖川の付近であったと云う。

黒木鳥居

たたずまい
 縁結びの神として若い娘さんに人気がある神社。斎宮になると云うのは結婚を諦めざるを得なくなるケースが多く、婚期を逸する場合が多かったのではなかろうか。斎王を放免されるのは父親である天皇の退位によってであり、はてさて縁結びとどう繋がるのだろうか。別に鎮座の大黒様のことだろうか。

 黒木鳥居は、元伊勢皇大神社(京都府加佐郡大江町)と当社の二社にあり、樹皮を残したままの黒木の鳥居は、最古の形式とも云われているが、簡素な門構えを現しているのかも知れない。

 瀟洒な境内に美しい苔生す庭がある。


お祭り

  10月19日 斎宮夢行列(斎王が伊勢へ向かう斎王群行の再現)

『源氏物語』(賢木の巻)

 娘の斎宮に付き添って嵯峨の野宮にこもっている六条御息所を光源氏が訪れるところ。

 物はかなげなる小柴を大垣にて、板屋ども、あたりあたり、いと、かりそめなり。黒木の鳥居どもは、さすがに神々しう見渡されて、わづらわしき気色なるに、神官の者ども、ここかしこにうちしはぶきて、おのがどち、物うち言ひたるけはひなども、外にはさま変りて見ゆ。
 

京都山城寺院神社大事典(平凡社)

公式野宮神社
京都山城の神々

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