熊野古道、和歌山県の王子社
山口王子

和歌山市湯屋谷118 ゼンリン


山口王子跡



 山口王子は泉州から和歌山へ入った二番目の王子社で雄ノ山峠を下って山を下りた地点である。前の中山王子社から徒歩約1時間である。湯屋谷にでると道は二つに別れている。下って左側すぐに跡がある。
 またはJR阪和線紀伊駅下車、7号粉河加太線を東へ行き、バス停池の谷から北に道を取り、湯屋谷まで約1kmで山口王子跡がある。 この王子社の隣に紀の関所があったらしく、設置されている万葉歌碑の歌にそれが読みとれる。
 わが背子が 跡ふみ求め追ひ行かば 紀伊の関守 い留めてむかも 笠金村作


 「熊野参詣(宴曲抄)」に、長岡信達も過ぎぬれば、あの彼方是方の峰つづき、雲の幾重ぞ外に見えし、葛城山の山中、山口の王子に来にけらし、と出ている。

 「続風土記」には湯屋谷村の王子権現社の項に「境内周三十二間、村の北にて山の麓にあり、土人伝えて是熊野九十九所王子の一なりといえり、一に三橋王子とも言う、と記されている。山口湯屋は熊野参詣人のために設けられた接待所・救護所であった。近露、滝尻にも湯屋があった。熊野はユヤと読んでいたなごりの命名か。

 現在、山口王子社は山口神社に合祀されている。
 紀の国の
 山口神社 参照下さい。



山口王子跡地の万葉歌碑


紀州名所図会から



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